国立がん研究センターがん対策情報センターが公開している統計をもとに、人が生涯において癌にかかる可能性は、なんと62%。つまり2人に1人以上は何かしらの癌にかかる可能性を秘めているということになります。そのため、ご家庭の中にはまだ若いうちからがん保険に加入しているところも多いことかと存じます。
がん保険には一般的に掛け捨てと貯蓄型がありますが、どちらがおすすめなのでしょうか?
掛け捨ての場合は月々の支払いが貯蓄型と比較して安くなります。そのため毎月物入りの若い方でも安心して加入することができるのがポイント。しかし、満期後の返戻金は貯蓄型と異なりありません。
掛け捨ての場合は月々の支払いは保険会社にもよりますが、およそ1000~2000円程度。一方で貯蓄型は3000~4000円程度が一般的となります。また、一昔前だと、貯蓄型の場合は満期を過ぎて契約を更新する場合は支払い料金が上がってしまっていましたが、最近は前回の料金を引き続き維持することができるようになっています。しかし、例えば65歳で満期を迎えて返戻金を受け取ったあと、85歳まであと20年生きると仮定した場合、掛け捨てと比較するとおよそ50万円ほど貯蓄型の方が高い金額を支払うことになります。
一般的にはがん保険は掛け捨ての方が得と言われています。癌と言う非常にセンシティブな問題であり、生きている間はずっと加入し続けるのが普通なので、月々の支払いは安いに越したことはないからです。「でも満期でお金が戻ってきた方が、無駄にしている感じがしない」という心理から生まれたのが貯蓄型ですが、癌と貯蓄は切り離して考えるべきと言えるかもしれません。
貯蓄型がおすすめの人というのは、返戻金があることによって「心理的な安心感を得られる人」となります。返戻金の返戻率は、契約期間が長ければ増えていき、35~40年以上契約を続ければ100%を超えるため、払い込み金額よりも多く返ってくる見込みがあります。一方で30年以下の場合は70%程度と35年以上と比較して大きな差が生じます。そのため返戻金目当ての方は、がん保険貯蓄型の返戻率をよく確認することが大切です。
がん治療は長期にわたって続き、さらに高額となります。一旦除去しても再び転移が認められることも少なくありません。そのため、がん保険は一生ものと考え、月々の支払いが無理のないような金額設定にすることはもちろん、保険の内容もしっかりと注視してください。