日本には全国に50万人以上の癌患者がいて、毎年35万人以上がお亡くなりになっています。現代社会において癌は特別な病気ではなく、誰もがかかりうる身近な病気となります。しかし、昨今の癌研究は非常に明るく、まだ決定的な治療法こそ確立はされてはいませんが、癌細胞を撃退する有力な方法が日々生まれているのも事実です。
今回紹介するのは、「笑い」が癌の予防、及び治療にも間接的に使われるということ。「そんなの無理だよ」と思うかもしれませんが、是非当記事を一読してみてください。
人の体内には免疫細胞と呼ばれる細胞が数十種類とあり、この免疫細胞の中には癌のような悪性細胞を退治する優秀な細胞があることが研究の結果わかっています。従来まではT細胞と呼ばれる免疫細胞が癌に有力とされていましたが、T細胞はしばしば癌細胞を見失い、攻撃ができなくなってしまう欠点がありました。
一方で昨今注目されているのが、「NK細胞」です。NK細胞も古くから知られている細胞でしたが、T細胞と比べて働きが単純であるとされていました。しかし、近代の研究で実はNK細胞は我々が思っている以上に複雑な働きをしていて、T細胞では攻撃ができなかった隠れ癌細胞も的確に見つけ出し撃退する能力があることが分かりました。
人が友達とおしゃべりをして笑ったり、バラエティ番組を見て笑うと、NK細胞が増殖されることが最近の医学の研究で分かりました。もともとNK細胞は生活習慣の乱れ、ストレス、不調、睡眠不足などから細胞が非活性化し、数が減るのですが、日本の厳しい社会に生きている方にとっては、「だからといって生活を変えるなんてできないよ」と思いますよね。そこで重要なのが「笑うこと」です。1日の締めくくりとして就寝前にお笑い番組を鑑賞するのはいかがでしょうか。時間が空いたら家族や友人と遊びに出かけるのはいかがでしょうか。お笑い番組を見たら、平均して3%ほどNK細胞が増えるようです。
2020年現時点では、NK細胞が癌細胞を撃退する能力があることが証明されていますが、まだ癌患者にも同様の効果が認められるかは研究中。さらにT細胞と比べて培養が難しいことも課題の1つとなっています。しかし、近い将来は自分のNK細胞を取り出し、体外で培養・増殖したのち体内に戻すことで、副作用のない癌治療が期待できます。笑うことは癌の予防にもなりますし、誰もができること。人生をより有意義に過ごすためにも、日々の生活の中で笑いを取り入れてみてはいかがでしょうか。