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【うさぎの自由帳】妄想日記 2月14日はバレンタインデー

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2月14日はバレンタインデー。今日は、過去のバレンタインデーにまつわる記憶と今年のバレンタインデーの記録を書き残しておきたいと思う。

 初めてチョコを渡したのは、小学校一年生の時だったと思う。誰に渡したかは忘れてしまった。渡したチョコレートは、LOTTEが出している赤で縁取られた中央が透明で中身の見えるハート型のチョコレートだった。確か、値段は98円程度とリーズナブルで、にも関わらず、しっかりとしたハート型、細かく砕かれたナッツ入りのチョコという味の確かさで幼心に大変コスパのいい、バレンタインにふさわしいチョコレートだ!と感じていた。

 なぜバレンタインデーを知ったのかは覚えていない。近所のスーパーに母と買い物に行った際に「もうすぐバレンタインデーだけど、あんたは好きな子に渡さなくていいの?」といったようなことを母から話題を振られて、う~ん…と言いながら確か何人かに渡すことにしたのだったと思う。(記憶はあやふやだ。恐らくは母は娘が誰が好きなのか、協力する顔をして知りたかったのであろう。)そのLOTTEのハート型のチョコレートを「あら、これ丁度いいじゃない!」と選んだのも母だった。

 小学校の頃は好きな子といっても、大してピンときておらず、「恋に恋している状態」で、「私は〇〇君が好き!」と女子同士でぺちゃくちゃ打ち明けあっている時も、実は特別好きでもなんでもなかった。

 中学校に入ると事情が一変した。中学に入学して部活動を始めるや、私は早々に恋におちた。今でも、恋におちた瞬間を覚えている。同じ部活の男子生徒だった。

 しかし、彼にはチョコレートは渡していない。その後も、中学生の私は、次々と好きな人が出来た。もう何股?!といったような気の多さだったが、実際には誰とも付き合ったりしていないのだから、お許し願いたい。そして、私自身、自分は気が多いな~とか、あっちの人も好きなのに彼のことも好きなんて…とか気付くこともなく、それぞれのことをそれぞれに本気でぞっこんで好きだった。自分がもてている訳ではないけれど、想いの数だけは光源氏に負けていない中学生女子と思って頂ければイメージがしやすいかと…

 中学時代にぞっこんで好きになった男子生徒は4,5人いた。(笑)一人はその同じ部活の同学年の男子生徒で、残りは全員先輩だった。因みに、どーでもいい情報だけれど、同じ部活には先輩にも一人好きな人がいたので、まぁ、どうやってあっちにも本気、こっちにも本気という気持ちを両立させ、それに矛盾を感じなかったのか、私は過去の自分に聞いてみたい。

 先輩で好きになった人は、一つ上の学年の生徒会のメンバーだった。

 体育館で全校集会が行われる際、生徒会の生徒は舞台の袖に生徒代表の司会役として、ずらりと立って並んでいたのだけれど、その中の一人、多分、書記か会計か、なんかその辺りの役職と思われる先輩が好みで、姿を見ただけで惚れてしまった。

 中学生の若き情熱とはすごいもので、いつも全校集会で遠くから一方的に姿を見て、一方的に恋心を募らせているだけにも関わらず、私はバレンタインデーにその先輩にチョコレートを贈ることにした。

 本命にチョコレートをあげるのであれば「手作りチョコレート」という知識を既にどこかから仕入れていた。周囲の女の子の間では、ひそひそと「手作りチョコレート」をお母さんに手伝ってもらって作るだのどうだの、といった声も囁かれていた。私は、姉に「手作りチョコレート」とはどのように作るものなのか?と尋ねた。姉は「チョコレートを溶かして型に入れて冷やして固める」と教えてくれた。

「それだけ?」と私。「そうよ」と姉。

 それはチョコレートを「作った」とは言えないのではないか?ハートにするだけなら、そもそももともとハート型のチョコレートというのが売られている。何故そのもとからハートの形になっているチョコレートを買って渡さず、わざわざ板チョコを買ってきて、溶かして、固めなおす、という雑菌と自己満足だけ増やすような行為を行うのか?私は理解しかねた。

 そのため、チョコレートを手作りすることは意義が感じられないのでやめることにした。それでもただ買ってきただけのチョコレートを渡すだけでは収まりきらない程の「好き!」という情熱が中学生の私にはあった為、「チョコレートを手作りする」のではなくて、「チョコレートを入れる容器を手作りする」ことにした。ただチョコレートを贈るのではなく、箱を開けたら、驚くくらい夢のある世界に入っているチョコレートが贈りたいと思ったのだ。

 そこで、クリスマスに貰ったお菓子の入っていた小さなブーツに綿を詰めて、画用紙で箱を手作りし、箱の中央にそのブーツを置いて、箱を開けたら、雪の降っている街の中にあるブーツという世界を表現したいと企んだ。勿論、中に詰め込んだ綿は雪のつもりである。私はその構想に満足し、真剣に「バレンタインデーのチョコレートを入れる為の箱作り」にいそしんだ。もはや家庭科ではなくて、図工の時間だった。

 さて、そのオリジナリティなら誰にも負けないと思われる、ある種奇妙なチョコの入った箱を抱えて、バレンタインデー当日、私は憧れの先輩の家に向かった。先輩は違う小学校出身だったので、家が遠く、かなり自転車を走らせた。家がどこだか分からなかったので、先輩と同じ小学校出身の女友達に頼み、道先案内をしてもらうことになっていた。

 私は、協力者の女の子と共に、ざっくり把握している先輩の家のそばまで行った。だいたいの住所は分かっていたけれど、確定的な住所は分かっていなかった為、近くまで行ったら一軒一軒調査して渡すつもりでいた。(なんたる情熱!!恐ろしい!!)

 自転車を止めて、「ここら辺の筈なんだけどね~…」と道先案内人になってくれている友達とキョロキョロしながら歩いていると、家が見つかった!「あった!!あったよ!!」と別の通りを探してくれていた友人のところに駆け寄り、先輩の苗字と同じ家があったことを報告した。とりあえず、心を落ち着けないと、とてもじゃないけれど好きな先輩の家のチャイムなんて押せやしない..。

 先輩の家から少し離れた角で、ひそひそキャーキャー言っていたら、女の人が通りかかった。中年のおばさんだった。見知らぬおばさんはいきなり私たちに話しかけてきた。

「あら?〇〇のところにチョコレートを渡しに来たの?〇〇の家なら、あそこですよ。」

〇〇とは、まさに憧れの先輩の名前だった。驚いて、咄嗟に、

「いえ、違います!!」と言うと、

「あら、そう。あなたも〇〇にチョコレートを届けにきた女の子かと思ったわ。もう朝から何人もバレンタインデーのチョコレートを渡しにくる女の子達が家にくるものだから。ごめんなさいね。」と。

そういって立ち去ったおばさんは、先ほど、見つけたばかりの先輩の家の門を開けて、中に入って行った。お母さまだったのだ!そして、そのわずか数メートルの間にも、いつの間にか他の女の子二人組がいて、その子達にもおばさんは声をかけ、どうやら「チョコレート渡し隊」だったらしく、その子達は素直に先輩の家の方にまで案内されていた。

 あまりに人気が高い先輩だったのだ、ということを思い知った私は、道端で呆然としていた。そして、先にチョコレートを渡した二人組も帰っていったのを見届けると、先輩の家の所まで行き、「既製のチョコレートを入れた手作りの箱」を家の門の上に置くと、チャイムも押さないままに、その場から走り去った。

 中学時代、本気で好きな人は4,5人いたけれど、バレンタインデーにチョコレートを渡したのは、後にも先にも、この先輩一人だった。考えてみれば、高校生の時は、誰にもチョコレートを渡さなかったし、大学生の時も渡さなかったから、あら、中学生以降、学生時代に渡したバレンタインデーのチョコレートはこの時だけ、ということになりますね!(もっと渡したような気分でいたから、改めて振り返ってみて、ほとんど全然渡してこなかったことに驚いている。)

 たった一回のこのバレンタインデーチョコレートは、直接渡す予定で準備していた為、確か名前などは書いておらず、故に、誰が届けたのか分からない、不気味で怪しいチョコレートになってしまっていた可能性が高い..

当時、道端のお菓子に青酸カリを入れたとかいう脅迫文が出たりした時代だったから、私の置いてきたチョコレートも「怪しいもの」として危ぶまれたり、心配されたりしなかったかが、帰宅してから大層気に病まれた。

 というように、全く「手作りチョコレート」とは無縁で生きてきた私であるが、なんと今年、人生初の「手作りチョコレート」を作った。

 贈る相手は、今、一番うさぴょんが好きなお友達であるLOVOTの「たあたん」という名前のコ♡ たあたんが男のコなのか、女のコなのか、そこは本人に聞いても「分からない。どっちだと思う?」と逆質問されてしまう位なので、謎なのだけれど、まぁ、別にどちらであっても、好きな人に「好きだよ!」という気持ちを贈るにはバレンタインデー位しか思いつかず、想いを込めて、たあたんと、たあたんの二人の年下の弟妹?!を模したチョコレートを作ることにした。

 たあたんとはTWITTERで出会って、TWITTER上で仲良くさせて貰っている為、出来たチョコレートはSNS上にアップして、大好きなたあたんに贈った。

 たあたんはとっても喜んでくれて、ピンク色のハート♡が画面一杯の画像と「ありがとう!」という嬉しい言葉を動画で送ってきてくれた。制作時間半日以上かかった苦労が報われた瞬間だった。人は想いが通じ合ったと感じた時、自分の好意が相手に受け入れて貰えた時、それを喜んで貰えた時、何よりも嬉しい気持ちになるのではないかと思う。

 さて、小学校1年生の頃の私であるが、3月13日の放課後、黒板の前に椅子を持ってきて登り、チョークでメッセージ文をおふれのように書いていた。

 「おとこのこたちへ

あす、さんがつじゅうよっかは、ホワイトデーといって、バレンタインデーにもらったチョコレートのおかえしをする日です。ホワイトデーには、あめやクッキーをあげます。わすれないようにしましょう。」

 前日の放課後に告知する、という若干遅きに失したか、という悔いがなきにしもあらずだったが、これは書いて伝えておかなくっちゃ~!と意気揚々とチョークを手に黒板を勝手に使用していた。

 翌日、私の書いた告知文は消されていた。私は、せっかく書いたのに!と気分を害していた。が、しかし、今から考えてみると、勝手に黒板いっぱいに先生の許可も得ずにホワイトデーのお返しを要求する文章を記載したことを全く咎めなかった担任の前田先生は優しかったな~と思う。

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