こんにちは!うさぴょんです!
一都三県で延長されておりました「緊急事態宣言」もようやく解除され、気が付けば関東にも桜が咲き誇る季節がまた巡って参りましたが、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
さて、早速今回も前回に引き続き「きょうだい児の悩み・その2」をいってみましょう~!
<前回の記事はこちら>
色々な「きょうだい児特有の悩み」がある中で、『親が病気や障がいのある兄弟姉妹の世話に追われていて、きょうだいの面倒を見たり、一緒に出掛けたりすることがなかなかしてもらえない。』も「あるある!」悩みの一つではないでしょうか?
今回は、それにまつわるうさぴょん自身の経験をお話させて頂こうと思います。
小学校3年生のある日、さほど親しくしていた訳でもない(かといって、仲が悪いわけでもない)一人の女友達アコちゃんが、次の日曜日、お母さんとデパートに遊びに行くのだけど一緒にどうお?と誘ってくれました。アコちゃんと仲のいいケイちゃんとケイちゃんのお母さんも一緒だよ、と。恐らく、なんでかうさぴょんのうちが、弟の為に私の母は一緒に来ることが出来ない、という家庭の事情を知っていたのでしょう。誘われたのはこどもの私だけで、私だけ自分の保護者は抜きで、電車に乗ってでしか行けない、少し遠くのデパートにご一緒させて頂くことになりました。
さて、日曜日、誘ってくれたアコちゃん母娘とケイちゃん母娘とうさぴょんの計5人で、電車に乗って数駅先のデパートにお買い物に出掛けました。うさぴょんは電車に乗ってそのデパートに行くのは実は少なくとも記憶にある限りにおいて初めてでした。
デパートに着くと、まずは4階に行こうということになり、みなでエレベーターに乗って4階に着くと、目の前に「サンリオ」のお店がありました。アコちゃんとケイちゃんは、「わ~い!サンリオだ~!!ねぇ、サンリオ新聞、見に行こう!!」と言って、勝手知ったる様子で、迷うことなくその「サンリオ新聞」とやらのところに向かって嬉しそうに駆け出していきました。
私は、久しぶりに行くデパート、そして初めて足を踏み入れた洋服や雑貨コーナーのフロアのきらびやかさに圧倒されながら、サンリオのお店に嬉しそうに駆けていく友人2人の後をゆっくりと追って歩いていきました。そして、お店に着くと、初めて目にするサンリオのかわいいキャラクター達のグッズが並べられている棚の間を、驚きながら、目を丸くして、眺めました。どういったものが売られているのかを知らなかった為、ひとつひとつが新鮮でした。アコちゃんとケイちゃんは、もう何が売られているかなんてほとんど分かっていたのでしょう。まずはグッズには目もくれず、迷うことなく「サンリオ新聞」の置かれているところにまで行き、「やったー!!新刊が出ているよ~!!ねぇ、お母さん、買ってもいいでしょ?」とはしゃいでいました。
わたしは、キティちゃんやキキララといったサンリオキャラクターは勿論知っていて大好きでしたが、そのキャラクター達が出ている新聞というものは全く知りませんでした。あのかわいいキティちゃんやキキララが新聞を出しているなんて、一体どういうものなのか興味津々、立てて並べられている「サンリオ新聞」を見るや、両親が読んでいる黒色の新聞とは打って変わって、ピンクの色調の新聞に驚きました。また、それをどうやら今回に限らず、毎号楽しみに友人は読んでいるらしい…ということに気付き、自分が過ごしている日常とのあまりのギャップにも驚き、カルチャーショックを受けていました。一体、世の家族というものは、どのように日曜日を過ごしているものなのだろうか、、、?
サンリオのお店でしばらくあれこれ商品を見て楽しんだ後、お母さん達は「そろそろレストランの方におやつを食べにいきましょうか?」とこども達に言いました。アコちゃんとケイちゃんは「やった~!!」とはしゃぎ、またみんなでエレベーターに乗って上のレストラン階に移動し、食事からデザートからさまざまなお料理が並んでいる大きなお店に行きました。店頭にはこれまた大きなショーケースがあり、ハンバーグプレートやスパゲッティ、ケーキやパフェなど、食べ物のサンプルが飾られていました。「どれにしようか~?」と3人のこども達は夢中でショーケースを眺めました。わたしはケースの中で、緑色に輝いているクリームソーダに目が釘付けになりました。
レストランの中に通されると、5人がみんなで座れる大きなテーブルに案内されました。メニューが渡されて、そして連れてきてくれたアコちゃんのお母さんがわたしに「うさぴょんちゃんも、何でも好きなものを注文していいわよ。遠慮しないでね。」と優しく言ってくれました。わたしは、店頭で見たクリームソーダをメニュー表の中から探して、これがいい、これにしよう、と内心思っていました。
ところが、お店の方が注文をとりに来た際、まずはお母さん達から注文をしたのですが、お母さん達は「パンケーキと紅茶」をセットにして頼みました。すると、アコちゃんとケイちゃんもそのパンケーキと紅茶のセットがいい!と言い出して、同じものを注文しました。わたしはあまりパンケーキと紅茶を頼みたいとはその時思いませんでした。頭の中で、パンケーキ代と紅茶代を足し算して、確かそれが当時480円くらいで、自分が飲みたいクリームソーダ―は280円で、クリームソーダ―の方が全然安いから、遠慮することはない、大丈夫、こちらの方が安いんだから、、、と心臓がどきどきしました。
最後にわたしが注文を言う番になり、ドキドキして口ごもっていると、もう一度アコちゃんのお母さんが「遠慮することないから、好きなものをどうぞ。」と言ってくれました。でも、招待してくれた親子4人が同じものを注文している中、一人、全く違うものを注文するのは場を乱すようで申し訳ないように思いました。クリームソーダの方が安い、クリームソーダの方が安い、とこころの中で、自分自身を震い立たせましたが、結局、口から出た言葉は「わたしも、同じのをお願いします」でした。
わたしは慣れない紅茶を口に運びながら、やっぱりどうしてクリームソーダにしなかったんだろうか!憧れのクリームソーダーを頼むチャンスだったのに!!と悔やむ気持ちでいっぱいになっていました。テーブルの上には華やかに並べられた5人分のティーセットが乗っていました。
自分自身の親と一緒に来ていたら、本当に遠慮などすることなく、クリームソーダーが頼めたのではないかな?と思うと、悲しくて仕方ありませんでした。紅茶はゆっくり飲んで会話を楽しむものらしく、アコちゃんとケイちゃんのお母さんは、ゆっくりゆっくり紅茶を口に運び、そのうちほとんどカップはテーブルに置いたまま、話に花を咲かせていました。「あら、もうこんな時間…」
アコちゃんのお母さんが腕時計の時間を見て気が付き、そして5人はまた電車に乗って家路に着きました。
弟が赤ちゃんのように小さくて、まだ抱っこして連れて歩けた頃は、たまに家族で銀座のデパートに行ったりしていた頃もありましたが、どんどん弟も成長してとても母が抱っこして連れて歩けるような体格ではなくなってきてからは、もう家族揃って普段の休日遊びに出掛けるということはなくなっていました。両親が気を使って、父が私を時々、東京の美術館や博物館に連れていってくれましたが、なんというか、父と出掛けるそれは「社会科見学」といった調子のもので、私が憧れている母親と洋服を選んだり、かわいいものを眺めたり、美味しいものをゆっくりお喋りしたりしながら頂く、といったものでは残念ながらありませんでした。
「そうはいっても両親が共稼ぎの家庭だってあるのだし、片親の家庭だってあるのだし、経済的問題からお出かけが難しい家庭だってあるのだから、なにもきょうだい児ばかりが親と休日に出掛けられない訳ではない」と思われる方もいるかもしれません。確かにその通りです。そして何も、大変なのはきょうだい児ばかりではないことはきょうだい達も知っています。
でも、例えば親が仕事に出掛けている為に一緒には出掛けられない家の子であれば、出掛けられないのは「自分も含めた家族の為に」親が働いているからだ、と分かるでしょうし、経済的問題から出掛けられない場合、その経済的困窮の苦しみをある意味、「家族で共有」しあっている訳です。
しかし、きょうだい児が親と出掛けられないのは、自分以外の病気や障がいのある兄弟姉妹に親が手が取られて、その為に出掛けられません。それは、同じ親から生まれた「兄弟姉妹」という立ち位置から考えると、病気や障がいのある子の方ばかりある意味「エコひいき」されているのと結果的に同じ状況になってしまっている訳です。その点が、他のケースと大いに違う点だと思われます。他のケースが大変でないとは言いません。ただ、質的に問題が異なる、という点はご指摘申し上げたいと思います。
親にどちらの子だけを可愛がっているつもりも、「エコひいき」しているつもりもなく、ただただどうしても「病気や障がいのある子」の方はケアや見守りをせざるを得なくて、「せざるを得ないことを頑張ってただ懸命に取り組んでいた」ら、結果的に、健康なこどもの方が「ほったらかし」状態に陥っていた、ということに過ぎません。そこに悪意などないということもまた、健康なきょうだい児達は人から言われなくても、よくよく分かっています。だからこそ、余計に親にも我儘が言えず、表向き大丈夫そうな顔を取り繕いながら、懸命に家族が機能していくように文句も言わずに我慢して我慢していたりします。それが所謂、きょうだい児は「いい子」になりやすい、ということの一因かと思われます。
あと、僅か数日で4月となります。外は桜が満開の見ごろを迎え、昼は華やかに、夜はライトアップされて妖艶にうつる日本の桜。Twitter上にも、沢山の桜の写真が多くの人たちによってアップされ、その美しさがタイムラインに流れてきております。
医療従事者の方々や高齢者の方々を先頭に、いよいよ新型コロナウィルスのワクチン接種も実施されておりますね。かといえ、一方で変異種が出ているとの話も出ていて、なんだかどうなるのやら、先が読めない相変わらずさは続いている状況ですね。
新型コロナの影響で世界が一変してしまってから、早1年が過ぎた今、、、。
改めて、日本とそして世界中のみなさんの心身の健康を心から祈る気持ちで一杯でおります。どうか誰もが、守られますように。
それではまた、次回。ごきげんよう!
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