今回は皆さんが日頃お世話になっている、時計に関するお話です。時計は趣向品としての性格も強く、時間を知る殊の外に、自分を表現するアイテムとして確立されてますね。皆さんもきっと思い思いの時計をお持ちだったりするのではないでしょうか。
普段よく目にするアナログ時計の広告、店頭でのアナログ時計、よくよく見ると大体、10時10分あたりを指し示しているのをご存知でしょうか。
実は、メーカー毎にその時間は厳格に決められていて、たとえば日本を代表するメーカーである「セイコー」の広告では、必ず「10時8分42秒」を指している。これは1963年のカタログから今日に至るまで採用されているそうです。
「シチズン」の時計は「10時09分35秒」、「カシオ」の時計は「10時08分37秒」を概ね指しているらしいよ。メーカー毎に微妙に異なるのもこだわりがあって面白いね。
この理由は諸説あるようですが、概ね3つの理由が挙げられています。
第1の理由は、時計のブランド名が12時の下にあることから、ブランド名が隠れずにすむ角度であること。
第2の理由は、時計で重要なデザインである、長針、短針、秒針がはっきりみて取れること。
第3の理由は、長針、短針が上向きであることで、締まって見えることであると言われています。(下向きで表現するとへの字となり、少し情けない印象になるようです。)
大恐慌が起こる前のアメリカでは、8時20分が主流だったらしい。大恐慌時代に、笑顔を表す10時10分方式に変わったと言われています。
その他には、勝利を表す「Vサイン」を意味しているなど、世界中で共通の仕様になっているのは興味深いところですね。
ちなみに、iPhoneの時刻は9時41分となっており、これはWWDCのようなアップルのイベントでは、9時の開始後、40分間のプレゼンテーションの後41分に新製品の発表を行う時刻からきているそうです。(唯一の例外が、ジョブスが初代iPhoneを発表したのは9時42分だったことからこの時間になっている。)
このようにブランドを最大限活かす、ディスプレイはありとあらゆる商品に適用されています。皆さんも身の回りの商品をそういった視点で見てみると新たな発見があって面白いかもしれません。