陸で大きな生物といえば、ゾウやきりんを思い浮かべますが、それでは海の生物といえば、何を思い浮かべますか。おそらく子供も含めて多くの方は「クジラ」と答えるのではないでしょうか。
今回は、誰もが知る「クジラ」に関しての興味深い雑学をご紹介します。
陸で最大の動物といえばアフリカゾウで、全長はおよそ6.5mまで成長します。そして、海で最大の動物といえば、ここで紹介するクジラ。
では、陸と海、そして白亜紀の時代までさかのぼり、歴史上最も大きな生物は何か?という問いの答えは、おそらく多くの人は「恐竜」と答えるかもしれません。しかし、実はその答えは「現代のシロナガスクジラ」なのです。シロナガスクジラは全長30メートル以上で、アフリカゾウの30倍の重さがあります。舌だけでアフリカゾウよりも重いのです。
大きな口で飲み込まれた場合、イメージするのが「這って口まで戻る」、「頭の空気穴から出る」、「排泄物と一緒に出る」といった考えが思い浮かびますね。しかし、クジラの胃酸は人の体や骨をバラバラにして跡形もなく溶かすほど強いことが分かっています。一度クジラに飲み込まれると、生きて帰るのは不可能と言われています。ただし、クジラは人には興味がないため、こちらから攻撃をしない限りは襲ってくることはなさそうです。
水族館でよく見かける愛嬌のあるイルカ。実はイルカもシャチもクジラと同じ種類で、ほ乳類くじら目に分類されています。イルカとクジラの違いは単なる大きさとのこと。ちなみにイルカも海を群れで行動する動物ですが、実はイルカはサメが恐れる数少ない動物の1つでもあります。イルカは上下に素早く動くことができ、イルカの頭突きはサメを退治するに十分な強さを誇ります。そのため、サメは特殊な音波を使い魚を感知しますが、イルカの群れを感じると避ける傾向にあることが分かっています。
北極クジラは哺乳類の中で最も長生きする動物と言われていて、現在確認が取れている中には211歳のクジラがいます。もともと海に暮らす哺乳類は低温の中で生息しているため、陸の動物と比べて代謝が遅く、長く生きることができるとされています。人間の3倍近くも寿命が長いというのは、なんだか羨ましいような……。
クジラは5000万年前に誕生したとされていて、陸で生活しているパキセタスと言う動物が祖先と言われています。パキセタスはオオカミほどの大きさでしかありませんでしたが、そののち餌を求めに水中で暮らすようになり、長年にわたる進化によって水生生物へと変化していきました。そのため、現在のクジラにも陸で生活していたときの名残として腰骨があるのです。
人類が海について知っていることは、まだ1割にも満たないと言われています。クジラのように、人の知らないところで驚く進化を遂げた生物はまだまだ他にもたくさんいるはずです。ロマンと探求心をくすぐる海の動物。これからも興味深い雑学をご紹介していきたいと思います。