新規事業をはじめて一年以内の場合は、売上が経ってもそれ以上に支出が多いものです。事業内容や従業員や事務所の有無によっても月々の収支は大きく異なりますね。そこで、ここでは新しく初めた事業がうまくいかない基本的な理由をご紹介します。
そもそも会社が倒産する一番大きな要因は「新規事業の失敗」か「固定費の高さ」となります。固定費は事務所の維持費と人件費がほとんど占めていて、従業員数名の零細企業であっても高い固定費は命取りとなります。ただし、見分ける方法は簡単で、「バランスシートが異常に高い」と固定費が利益を圧迫している証拠となります。利益率の低い商材を扱っている事業や、複数人による共同経営をしている場合は黄色信号。商材を変えたり、事業転換、共同経営の中止か利益分配の見直しをした方がよさそうです。
新規事業を始める前に、まず考えるべきは「この事業のステップアップを1から10(1が失敗、10が成功)に数値化した場合、どこから事業が上手くいっていると言えるのか、また8~10が成功の場合、どのくらいの売上が毎月見込めるのか」です。これが不透明、もしくは予想と実際が違っていると、仮に売上が立ってきても、自分や従業員の懐が豊かになるほどの利益が上がってこないという現象が起こります。事業をしていく上で、「もしこれが成功しても、毎月の売上は〇〇円が限界かも」と考えるに至ったら、思い切って事業転換を考えるべきかもしれません。
新規事業を始めるに当たっては、複数人の共同経営者と一緒に事業を進めていくケースも多いですね。しかし、共同経営者の中で上下関係がない場合は要注意です。例えばエンジニアとコンテンツマーケッター(記事を作る人)が二人で1つのサイトを作る場合、お互い専門分野の畑が違うので、最初の方は仕事の干渉がなく円滑に事業は進んでいくのですが、次第に「誤字脱字が多いよ」、「ちゃんと検索ボリューム考えてコンテンツ考えてる?」、「サイトの表示速度が遅いよ」、「ちゃんと毎日バックアップとってるの?」と相手の仕事に対して不満を覚えるときがやってきます。そうなると、後はどちらかがサイトを手放すまで喧嘩が続き、距離を置かなければならなくなります。もちろん事業のスピードも遅くなりますし、継続も難しくなります。
銀行に融資をお願いする場合に事業計画を提出するように、新規事業は最初の準備が非常に重要です。取り扱う商材、マーケットと顧客ターゲット、売上目標と損益分岐点などを慎重に吟味し、然るべきタイミングで事業をスタートするといいでしょう。